第204回 鎌倉アカデミアと六歳六月六日
お父さん、トム・クリューは8歳のときお経を聞きながら頭巾をかぶってコタツで日本茶を飲んだりブログを書いたりしなかったよね。命拾いだ。こんにちは、大島雅己です。
自分がある程度の年月をかけて理解したり経験したり習得したナレッジやノウハウやスキルといったものを、そのような理解や経験や習得をしていない人に対して伝えたい。さてどうするか。
全く同じことをそっくり伝えるのであれば、全く同じことを実際にやってもらうしかないのでしょうか。それは難しいでしょうし、たとえできたとしてもその人が私と全く同じように吸収するかどうかはわからない。
このように考えてしまうと、それでは叡智を他人に伝えることは不可能なのかという話になってしまいそうですが、ここで「そもそも帰り」をしまして、そもそも何をしたかったかというと、自分が得た知識や教訓や技巧といったものを伝えることによって、例えばよりよい仕事をしてもらったり本人の成長や幸福のきっかけにしてもらうことであるとします。
とすると、結果を伝えるのではなくて、なぜそうしようと考えたのかという背景や、それをどう捉えればよいかという意識や、それにどうやって立ち向かえばよいかという方法、といったものを伝える方がよいのかもしれません。結果は各自それぞれが持つものですしね。
ところで楽器の習得というのもなかなか楽しツラいものですが、他人に教えるというのもまた難しいと感じています。それでもピアノ教室とか音楽レッスンが人気があるのは、学びたいという意欲があるからでしょうか。この意欲がポイントですね。これさえあれば学びは進むと思うのです。
<今日の本歌>
榎本俊二「ムーたち」