第194回 ベネディクトゥス15世と御側御用取次

じぶんをつくり、じぶんがその中に生きている歴史を、自覚するとき、われわれは、自覚して、合目的的に、ブログ更新に参加することができるのですね。こんにちは、大島雅己です。

現場百遍といえば推理小説等の事件捜査シーンでよく耳にしますが、IT現場にも当てはまるものなのでしょうか?
業務のシステム化や、既存システムの改善などを検討する時、まずはそのシステムを取りまとめている管理者が方向性を考えるのが普通だと思います。

この時、そのシステムを実際に使う利用者のことをどこまで考えるか、というのがポイントの一つになると思います。
管理者と利用者が同一であればよいのですが、そうでない場合、管理者が利用者の声をちゃんと聞いているかどうか。難しいのは、利用者が大多数、不特定の場合です。数百人が使うシステムやインターネット上のサービスなんかの場合ですね。こういう時はアンケートやアクセスログを利用して動向を分析するなど、別の対策が必要です。
ありがちなのが管理担当が独断で決めてしまうケースで、その人はよかれと考えて決めたことでも、他の人には嬉しくないかもしれません。私はシステム開発の立場で要件を目の前にした時、それが誰の声なのかを気にします。管理者か、利用者か、はたまた部長とか社長の声か。あるいは、利用者の声だといいながら特定の営業マン一人のもので、他の利用者は反対している可能性も…。

バンドのCDを出す、書籍を出版する、落語を演じる、などといった場合も、実際に見聞きしてくれる人達と自分が直接やり取りすることは稀で、たいていは誰かが仲介したり取りまとめていたりするはずです。プロデューサーか、編集者か、席亭か。そういった人達は実際の視聴者や読者や観客の立場にどこまで近づけているか。このポイントは大事だと思います。

<今日の本歌>
井上清「日本の歴史」

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