第2469回 落語と人間喜劇の関係(1)

こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。とりもなおさず落語は人生の縮図でありましょう。つまりそこに人生のすべて、人間のすべてが入っている。立川談志大師匠がいみじくも、落語は人間の業を肯定する唯一のものと宣ったように、「ザ・人間」とでもいうべき世界であります。オノレ・ド・バルザックであれば確実に「人間喜劇」と総称したでしょう。挫折を乗り越えなくてもよい。失敗を弁済しなくてもよい。堕落を嘆かなくてもよい。恥辱をごまかさなくてもよい。怒りを我慢しなくてもよい。人間とはそういうものだと笑って受け流しておけばよい。それが落語の掟のようなもの。他のどんなジャンルにもない無敵の哲学なり。仕事もかくあるべし。続きはまたどこかで。

(A面へ)

<今日の一推>
立川談志「談志百席」

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