第193回 かすがいと非合理信念

日本国籍を明示すること、ブロガーであることを示すこと、事故をおこさないこと、この条件をかなえるために、ぼくは白いヘルメットにギターをかついで日の丸をつけたスクーターにまたがり、奇妙ないでたちのブログ行脚となったのである。こんにちは、大島雅己です。

何事も、どうせやるからには100点満点をめざしたいと考えるのは心意気としてはアッパレだと思いますが、よくない方向に進んでしまうかもしれません。点数を挙げることに集中して、本来の目的が忘れられることがあるからです。重要なのは本来の目的のはずです(100点を取ること自体が本来の目的ならば話は別ですが)。
学校の入学試験も運転免許試験も、通常は合格ラインというのがあります。60点とか70点とか。まずはある程度ソコソコのラインを目指して進めてみて、そのあと必要に応じてさらに伸ばしたり、別方向から攻めてみたり、場合によっては一からやり直したっていいと思っています。100点が取れるまでがんばっていたら、時間がいくらあっても足りないかもしれない。

ITシステムでもここに嵌るパターンがあります。100点のシステムを作らなければならない、失敗は許されない、カネとヒトを追加して追加して、とにかく納期までにちゃんとしたものを作らねばならない、という地獄ループに陥ってしまうと悲惨です。ひどい場合は120点とか150点を目指そうとしたりして。
こういうシステムは、たとえできあがっても、すぐにマイナス何百点というしっぺ返しを食らいます。60点とか70点とかのレベルでいったん動かしてみて、その後に別の60点のシステムを作って補完したっていいはずなのです。ちゃんと作ればそれで100点を超える結果にもなる。

最初から巨大な一つの作品にするのでなく、いくつかの部分を組み合せるという例は芸術作品でも多いですね。クラシックの交響曲や短編連作の小説、落語の「子別れ」も三分割されてますね。100になってないとダメだという発想から時には外れてもいいと思うのです。

<今日の本歌>
小澤征爾「ボクの音楽武者修行」

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