第1562回 彰義隊とアポロン託宣

遠雷が地異の擬音に聞こえけり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

知らないことを聞かれて、知りませんと正直に白状することには抵抗があるかもしれません。そんなことも知らないのかと蔑まれたくないという気持が働くからでしょう。あるいは、できないことを頼まれて、できません、と素直に謝るのは多少難しいかもしれません。相手の信頼を裏切るようであり、自分のダメさを暴露するようでもあり、もしかしたらせっかくの仕事のチャンスを逃してしまうのではという恐れもありましょう。

こういう時、恐れをすてて正直になるもよし、ハッタリを決めて知っているふりをするもよし、臨機応変にどちらも使い分ければよいと思っています。

知らないことを知らないと答えてあげることは結局相手のためになるし、自分もその屈辱を晴らすべく勉強することになるでしょう。もしそのことでこちらを蔑むような相手とは長く付き合うこともないでしょう。

一方で、ハッタリで切り抜ければ相手は安心し、自分も必死で穴埋めするべく成長することになるだろうから結局双方のためにいい結果につながります。

そういえば落語「よかちょろ」の若旦那とか「居残り佐平次」の主人公はできないことなどないかのように何でもござれと頼もしい姿勢を崩しません。ハッタリとかフラというものでしょうか。そこには大いなる魅力があるのです。

(A面へ)

<今日の一唱>
落語「居残り佐平次」

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