第1561回 エンタングルメントと光電効果

絵のやうに光るオランダ獅子頭。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

小学校の理科で、熱の伝わり方に三種類あるのを習いました。伝導と対流と放射です。教科書の説明ではそれぞれ、固体、液体、気体の中における伝わり方に相当するとの言いかただった記憶があります。確かに、金属などの固体が熱を帯びるケースと、水などの液体がだんだん温まる現象と、部屋の空気などがエアコンで上下する事例とにあてはまるでしょう。

この例証を別の角度から見てみます。伝導は熱を帯びた素子が隣接する周囲に直接熱を伝えるのだから「滲出」型です。対流は熱を持った粒子自身が移動することでお届けをする「媒介」型、そして放射は遠隔作用によって媒体なしで熱を届ける「遠隔作用」型です。

情報の伝わり方もこのように「直接伝播していくパターン」「伝道師がお届けをするパターン」「どこからともなくひらめくパターン」のような分類ができるのかもしれません。

そういえば網野善彦氏の『日本の歴史をよみなおす』には情報伝達の役割についての話が随所に出てきます。情報は、思わぬところで思わぬ人が思わぬ伝達機能を果たすことによって広まっていくものです。

(A面へ)

<今日の一唱>
網野善彦『日本の歴史をよみなおす』

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