第1512回 ラピスラズリとケイ酸塩鉱物

猫鳴いて初夏の気温に気づく朝。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

瑠璃も玻璃も照らせば光る。瑠璃はバイドゥーリヤの音写で七宝のひとつ。瑠璃色といえば襲の色目で浅葱色の異称、青と紺の中間のような色。瑠璃カケス瑠璃ビタキ瑠璃がわら瑠璃タテハ瑠璃ハコベ瑠璃観音瑠璃ぐすり瑠璃光如来などに応用される魅力的な色。

玻璃はスパティカの音写でやはり七宝のひとつ、元は石英の意味も持ち水晶あるいは水精と訳す。玻璃鏡玻璃珠玻璃版玻璃長石などに連なる。

どちらもガラスの総称でもあり、もともと宝としての価値を持つものであるからして光が当たれば際立って魅力を発揮するけれど、逆に取れば、光を当てなければ埋もれた石ころでしかない。本当にすばらしいものであれば自ら光を放ち周りを照らす存在であるはずだし外からの光に縋っているような姿勢ではいくら力があってもくすぶるだけで終るかもしれない。

そういえばゲーテの最後の言葉が「もっと光を」で、立川談志師匠の最後の言葉は「電気消せ」だったといいます。いずれにしても光をどう意識しどう捉えどう扱い、そこに何を見、何を委ね、何を写すのか。

(A面へ)

<今日の一唱>
立川志らく『談志のことば』

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA