第1484回 計量法と応力テンソル
春きやべつ絵具のやうな色に見え。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
年に一回、マンションの定期点検があり、3時間ほど停電になります。家の中で電気に頼っているものがすべて使えなくなるわけですが、その影響は当然照明類や電化製品だけにとどまりません。
給排水設備が停まるため水道もトイレも水が出ません。ガスコンロの火は点きますが換気扇や火災報知器が動かないため使用禁止です。給湯もできないので風呂にも入れません。来客や宅配が届いてもインターホンが鳴らないので応対できません。ノートパソコンはバッテリーがあれば使えますが、通信機器が停まっているのでネットは通じません。エレベーターも動かないので高層に住んでいる人は外出も難しいでしょう。
ほんの3時間電気が使えないだけで、生活のほとんどのことが制限されてしまうとはなんたることでしょう。ふだん何気なく使っているものもなくなる時が来ると想定しておかなければならないということです。ちなみにスマホは一般の回線を利用すれば使えるので、スマホだけで何でも事足りるような人ならあまり困ることもないのかもしれません。
そういえば「水屋の富」という落語がありますが、そもそも水屋という商売があったということがまず現代の感覚では理解できません。水も電気もガスもトイレも石焼芋のように屋台で売りに来るようなものだったとしたら日々はどんな生活様式になるでしょうか。
<今日の一唱>
落語『水屋の富』