第1461回 梅花皮とアリルイソチオシアネート
春雨に熱さ寒さを判じかね。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
時々あるのですが、大根おろしを摺っていて人差し指までやってしまいました。たいした傷ではないものの、その後三日間ぐらいは痛みがありピアノを弾く時などに支障が出て困りました。歳を追うごとに傷の治癒力は衰えていくかもしれないと思うと、今後に向けて真剣に再発防止を考えるべき時が来たようです。
その対策は大きく3種類が考えられます。一つは指をガードする方法。これは指ガードや大根ホルダーのような専用グッズを導入するものです。数百円から千円前後でいろいろな商品が売られています。
二つ目はおろし具を見直す方法。木や陶器の製品なら指をすっても大きなケガは免れそうだし、レバーをくるくる回すだけで大根おろしができるような製品もあります。
三つ目は運用を見直す方法で、そもそも大根をおろす時は八割ぐらいのところでやめて、残りは別の料理に使うようにする。あるいは大根おろしを自分で摺るのをあきらめる選択肢もあります。
どの方法を選ぶかは、最終的にどこに着地したいのか次第です。大根の栄養素を最大限に引き出したいのか、食感や味を追究するのか、大根おろしの見た目をよくしたいのか、ケガ防止を最優先とするのか、調理の段取りをレベルアップしたいのか、新たな出費を控えずに済ませたいのか。
そういえば立川談志師匠の『粗忽長屋』には、「なんとか言えよ」と言われた相手が「大根おろしか」と答える場面があります。大根おろしというこの語感を含めたイメージがなんとも可笑しいのですが、それこそが一番大事にしたいことだ、というのが結論なのかもしれません。
<今日の一唱>
立川談志『粗忽長屋』