第1433回 映日果とマラプロピズム

退いておくれ乾燥注意報。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

「新しい」という言葉は元々「あらたし」だったそうで、確かに「新」は「あらた」であるし、意味も「あらたまる」ことに通じます。人の口に乗って移ろううちに文字が音位転換を起こして入れ替わり、「あたらしい」に変わったのでしょう。

文字が入れ替わる現象は思ったよりも日常的にあるようで、アキバハラがアキハバラになり、サンザカがサザンカになり、シタヅツミがシタツヅミになるのもそうでしょう。子供の言い間違いを笑ってスルーしていたらいつの間にか正しい言葉に定着するかもしれないませんね。物事は人に使われてよりフィットする形に変化していくということです。言葉を逆に読んだりひっくり返したりすると、言葉の乱れだと言う人もいるでしょうが、むしろ活き活きと進化しているような気がします。情報は固定であると思い込んでいると思わぬ事故に遭うかもしれません。

そういえば落語『やかん』では鰻のかば焼きは馬鹿焼きがひっくり返ったものとされていますね。ひっくり返さないと焦げてしまうからだというのですが、本当にそういう理由だったのかもしれないとすら思えてきます。

(A面へ)

<今日の一唱>
落語『やかん』

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