第1417回 キーウィタースと等量曲線

晴天に風車くるくるくると。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

ほんの何年か前を振り返ってみると、会社のデスクの上にあるのは電話ぐらいで、人と会話するには電話か対面しかありませんでした。

書類は手書きで、定規やコンパスを駆使して図表を作ったり別の資料を切り貼りして見栄えを工夫したものです。それを提出するには直接相手のところへ持って行くのが普通でした。

写真はフィルムで撮って、手間暇かけて現像したものを仲間内で回覧し、欲しい人にはネガから焼き増しして配っていました。

電車のダイヤは時刻表を見るしかなく、乗る前に切符を買って改札でハサミを入れてもらい、預貯金から現金を引き出すのに通帳とハンコを用意し、希少本を買うのに町の書店を何件もハシゴし、音楽はレコード屋まで行かなければ手に入りませんでした。

もうあんな時代にはとても戻ることはできない、と言いたいところですが、それは現在の生活様式や文明利器に慣れただけのことであって、決して不可逆な変化などではないのにそう思い込んでしまっているのでしょう。もっと時代が進めば今現在の状態も不便なものだと振り返るに違いないのです。

そういえば立川談志師匠が『鮫講釈』のまくらで「昔の人を何も現代の人間が同情するにゃァ当たらない」と言っています。後戻りができない文明は、却って不便なものかもしれません。

(A面へ)

<今日の一唱>
立川談志『鮫講釈』

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