第1340回 大本営とカインの末裔

あの位申しておかんと拙者の方が夜っぴて寝られない(落語『宿屋の仇討』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

嘘も方便と言いますけれど、この方便とはもともと仏教の言葉で、衆生を教え導く巧みな手段、および真理に誘い入れるために仮に設けた教えのことで、そこから「目的のために利用する便宜の手段、手立て」を意味するようです(広辞苑参照)。ちなみに「たずき」「たつき」「たどき」とも読むとのこと。

「嘘も方便」と言う時、「嘘もうまく使えばよい手段となることもある」と取るか、「方便のためには時には嘘をつかねばならないこともある」と取るかで意味が違ってきます。前者は嘘にも良い面があるとしているし、後者は嘘の悪い点に目をつぶれとしている。

どんなものでも手段としてうまく使うことが大事なのか、大きな目的のためには手段を選ぶべきでないのか。目的と手段の関係性を考えさせられる箴言であります。

(A面へ)

<今日の一唱>
落語『宿屋の仇討』

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