第1255回 インテロバングと伯母ヶ酒
われ鉄眼の竜となって汝を取り巻くときはこれいかに(落語『蒟蒻問答』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
動詞「きく」のバリエーションは「聞く」「聴く」「訊く」「効く」「利く」などの広がりを持っていて、どれも語源は同じなのでしょうけれども、使う場合のスタンスは全く違います。
インタビューで相手の本意を知りたい時はどう「きく」べきか。「聞く」では単に耳を貸している状態。「聴く」だと熱心に相手をしているようですが、本音を引き出しているとは言えない。「訊く」なら能動的に問いかける姿勢が感じられますが、相手が答えてくれなければ意味がない。「効く」とすればやや相手の視線に立って世話をみる感じになるがやや居丈高、「利く」でようやく相手の本質をさぐり味わうことになり理想に近いかもしれません。
何かを「きく」時は、どの「きく」を実行しているのか、どの「きく」を使うべき局面なのかを意識しなければ、きいているのにきいていない、きいたつもりできかずじまいとなるでしょう。
<今日の一唱>
落語『蒟蒻問答』