第1139回 所作タントラと唐茄子屋

孝行糖、孝行糖、孝行糖の本来は、うるの小米に寒晒し(落語『孝行糖』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

落語は人間世界の絶妙な縮図だと感じていますが、その中でもとくに見事に人間を代表しているのは与太郎でしょうね。与太郎は人間のあらゆる煩悩を備え持った上でこれを完璧に昇華させ、達観した境地から落語を生きているような気がします。

もし現実社会の人々がみな与太郎の視点をもって生きれば世界は全く異なる様相を見せるでしょう。与太郎になるのではなく、与太郎の視点を持つのです。与太郎を追体験することによって落語のフィルターで現世を俯瞰するのです。それによって現実が織りなしている複雑怪奇な曼荼羅文様もちょっとした寄木細工のからくり箱のようなものに過ぎないと気づくかもしれません。

ツボを一カ所押すだけで全てが解明できるのに、それに気がつかず逆にあれこれとこねくり回したりを余計な改造をしたりして物事を一層面倒臭い方向に追いやってしまうのが社会なのだとしたら、今こそ与太郎に教えを乞うべきです。

(A面へ)

<今日の一唱>
落語『孝行糖』

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