第595回 トロンプ・ルイユとウェイソン選択課題
やまとブログは、人の心を元にあれこれ言語化したものです。世間にはモノやコトがあふれており、心に浮かぶものを、見るもの聞くものにかこつけて言葉にしています。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
立川談志師匠の命日には有楽町よみうりホールで談志まつりを聴くのが恒例です。今回は一日目の昼部を観覧いたしました。談吉さんの『半分垢』に始まり、談修師匠、雲水師匠、志らく師匠ときて、仲入り後には談志師匠の『源平』音源が流れてから談之助師匠、そしてピコ太郎氏の余興を挟んでトリは龍志師匠『五人廻し』。
歴々たる師匠方は皆様、もちろん談志師匠の教えを受け継いでいるわけですが、持ち味も話しっぷりも所作も自分独自のものを築き上げているわけです。たとえ初めは師匠がやる通りにそっくり真似していたのだとしても、くり返しやっていく中で自然とおのれの世界ができあがっていくということなのでしょうか。どのお弟子さんをとっても、皆違っています。立川談志の落語というおおもとは一つでも、そのどの部分をどう継ぐかは、受けとる側によって決まってくるもので、その選択肢は無限にあるのかもしれません。
IT現場でもそういうことはあります。なにごとも、すでに決まりきったものだと思っても、人によって捉え方は千差万別です。無意識のうちに、これはこうなんだと決めつけているものが意外とあるものです。
<今日の本歌>
作者不詳『古今和歌集・仮名序』