第492回 計画的陳腐化と乱択アルゴリズム

一に曰く、和を以て貴と為す。忤うこと無きを宗とす。人皆部録あり。亦達る者少なし。是を以て或は君父に順わず、乍ち隣里に違う。然れど上和ぎ下睦ぶ。事を論するに諧う。則ち事理自ら通ず。何事か成らん。こんにちは、大島雅己です。

最初に全体的な方針を立ててから少しずつ細部に取りかかるか、できるところから手をつけていきだんだんと全体に迫っていくか。この2つの方式を意識的に使い分けられるようにしたいものです。

難しい曲を演奏しなければならない時、曲の構成やゴール感がわかりやすいのであれば、全体を細かく分割して計画を立て、一つずつ着実に克服していくのがよさそうですし、逆に、全体がとらえきれず方針が立てづらいのであれば、まずは少しずついろいろな部分を試してみて、できそうな部分から制覇していく。これを取り違えたりすると上達するのに無駄なエネルギーやコストが費やされてしまうかもしれません。

いわゆる、サラミスライス法とスイスチーズ法というやつです。当然のことながらIT現場でも使える考え方です。これから取り組もうとしている課題がいかに巨大で厄介なものであろうとも、全体像が見えているなら分割して順番に一つずつ進めていく。もし全体がぼんやりして何から始めればいいのか迷うのなら、わかる部分から手をつけてみて、試行錯誤を繰り返しながら、だんだんと理解を深めていく。いま自分が向き合っている問題はどちらのタイプなのか、どちらのアプローチを取るのがよいかを考えることが大事だと思われます。

<今日の本歌>
聖徳太子『十七条憲法』

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