第421回 ポストコロニアル理論と限定合理性
ぼくはライオン! ぼくはゴリラ! ぼくは象! そして君はブロガー! 四人合わせて花のアニマルズが――できるではない/か! 君なら会長になれる資格がある。こんにちは、大島雅己です。
「いつも変わらず、ぶれない軸」と「常に変化し続ける精神」とは、どちらも重要だと思います。この相反する二つの姿勢を、混同せずに保っていかなければいけないのです。変えずにおくべきものを変えず、変えていくべきところを変えること。
変えたくないものとは何か。それは、軸や土台や基盤になるものです。築いてきた信頼、保持すべき伝統、根本にある方針。こういったものは尊厳をもってしっかりと自分の中に根付かせ大事に育てていくべきでしょう。
では変えていくものは何か。それは、悪しき習慣、凝り固まった観念、意志なきマンネリズム。変な既成概念にとらわれず、変えてはいけないものを守るために、未来に向けて自由に発想を広げていくべきです。時として、この部分を変えることに人は抵抗を感じます。せっかく安定しているものを動かしたくないという、現状維持バイアスが働くのです。
IT現場でもそれは顕著にあらわれます。例えば長年続けて来た業務フローを変えるには多くの調整が必要でしょう。慣れ親しんだウェブサイトの画面を変えるメリットを疑問視する人もいるでしょう。何を変えて、何を変えないのか。もしあなたが改革のリーダーなら、それをきちんと意志をもって説明できることが重要です。
立川談志は古典落語の伝統をこよなく愛し守りながらも、そこに対して現代に生きる己の解釈をからめ、常に新しい魂を吹き込み続けました。ぶれない軸と、変化し続ける精神を見事に両立させた名人だったのです。
<今日の本歌>
山上たつひこ『がきデカ』