第420回 ラマン増幅器と単項イデアル

このブログが、人類よりもすぐれた知能を持ち、しかも人類と同じように生命にかぎりがある生物によって、熱心に、綿密に観察され、人類が自分たちのいろんな利害にあくせくしているとき、人間が顕微鏡でひと滴の水に群がり繁殖しているはかない生物を丹念に調べるのと、おそらくはほとんど同じように精密に、丹念に調べられ、研究されていたということを、十九世紀の末ごろ信じていたものは、おそらくひとりとしてなかったろう。こんにちは、大島雅己です。

組織の中で、情報システム部門がちょっと特別視されるような風潮を何度も味わってきました。特殊な技術をもった業者のような扱いとでもいいましょうか。とくにパソコンやシステムに慣れていない人達にとってシステム部門は遠い存在なのでしょうか。

そこには畏怖の念もあるのかもしれませんが、結局は組織のタテ割り、対立の構造、コミュニケーションの断絶につながってしまうのです。そうするとどうしても互いに己の都合を優先する流れとなりプロジェクトは疲弊します。向かう先のゴールは妥協の産物、公約数の世界にとどまるでしょう。

そうではなく、すべての関係者が一体となって同じ方向に並行して進むようになれば、プロジェクトは相乗効果で発展し、公倍数の世界に膨らんでいくはずだと思うのです。こういう進め方ができる人が理想のリーダーですね。

オーケストラの指揮者は単に拍子を取っているだけではありません。それぞれの楽器パートが一丸となって全体を創り上げていくように舵を取っているのです。ヘタな指揮者による演奏は各楽器同士がバラバラに鳴っているだけですが、すぐれた指揮者によるものは楽器同士が垣根を超えて溶け合い広がって新しい宇宙を創っているように聴こえます。

<今日の本歌>
ウェルズ『宇宙戦争』

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