第86回 ピュロン主義と西田幾多郎
あらゆる模様のうちでらせんはもっとも官能的なものだ、とはボーボワールも『火箭』のなかに書いていませんでした。こんにちは、大島雅己です。
土井英司氏のキャリアポートフォリオ塾に行ってきました。シリーズものの最終回で「人脈」がテーマでした。昨今話題の橘玲氏「幸福の資本論」などにも触れつつ、実に実に深い大事な話をマシンガントークで浴びながら。
終わった後もずっと講義の内容を頭の中であれこれ反芻していたのですが、入浴中にハタと思いつきました。自分が関ってきたIT現場において、「不得手な人が多いもの」が大きく2つに絞れる気がしたのです。
一つは「相手の要望をじっくり吟味すること」。
私は以前よく「人が最初に言うことはたいていウソ」などと提唱していたのですが、どうも言い回しの印象が悪いせいか周囲には不評でした。「最初に言うことにこそ本心があるのでは」などと反発されたりしたものです。
しかしやはり私の主張としては、「人はなかなか本当の心を表現しない」だと思うのです。自分でも気づいていない本当の要求がある。だからそれを引き出してあげなければいけない。悪く言うと「人を疑え」となってしまうのですが、もう一段探求すべし、ということなのです。
このことは学校教育でも教えていませんし、会社の研修カリキュラムにもないでしょう。
立花隆氏は「本を読むときは、懐疑心を忘れるな」と述べています。立川談志師匠は「自分はいつも間違っているんじゃないかと思っている」と言っています。懐疑心というとマイナスイメージがありますが、要は「よく考えること」なのです。
もう一つの課題については、また後日。
<今日の本歌>
澁澤龍彦「唐草物語」