第1161回 クロロエチレンと内有毛細胞
敷居越しでは話がでけん、もそっとこれへ出い(落語『宿屋仇』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
レコード盤で音楽を聴くのを極上の楽しみとしております。塩化ヴィニール樹脂に刻まれた痕から時空を超えて音楽が再現され、それを鑑賞できるとは考えてみればものすごい仕組みです。
「レコードを聴く」と言ってしまえばひとことですが、これを具体的に見れば、簡単に言っても、レコード盤→レコード針→カートリッジ→レコードプレイヤー→アンプ→スピーカー→大気→外耳道→鼓膜→耳小骨→蝸牛→リンパ液→聴神経→脳と、これだけの経路を伝います。この中のどれか一つにでも問題があれば鑑賞は不可能です。
逆に、よりよい音を聴きたいなら、改善すべき素材はこれだけ豊富にあるわけです。スピーカーを豪華なものに換える前に、耳を掃除する方が効果があるかもしれません。
<今日の一唱>
落語『宿屋仇』