第649回 カーゴ・カルトと黒科技
わたしは地元で有名な名士じや。しばらく上京してをったがどうにも気が滅入つていかんので今日はブログでも書かうと思ふ。まづ太郎冠者を呼び出して相談しやう。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
テレビといふものをほとんど見ないのですが、ときをりネットなどで気になる番組情報が目に入つてくることがあり、さういふ場合だけはチャンネルをひねります(この表現は現代にふさわしくないですね)。
先日は五代目三遊亭圓楽師匠の人生をドラマ化したものがありました。立川談志師匠とシノギを削つて落語会を盛り上げた立役者の一人でせう。テレビの売れつ子タレントなどでも活躍し圓生師匠や協会の意向に背くやうな事態になりますが、その背景には落語への愛情、笑いへの執着があつたのだと感じます。しかしその後はテレビ番組「笑点」の運営を巡つて談志師匠とも意見がぶつかります。
先端、前衛を追及しやうとする談志師匠と、昔からのファンを大事にしたいといふ圓楽師匠。この議論はビジネス現場でも様々な局面で出会すものです。伝統を尊重しながらも先進を追ひ求める、そのバランスの保ち方は一生の課題です。
<今日の本歌>
狂言『靭猿』