第367回 インピーダンス整合と損益通算
私がこの世でいちばん好きな場所は机上だと思う。どこのでも、どんなのでも、それが机上であればブログを書く場所であれば私はつらくない。こんにちは、大島雅己です。
世の中の仕事というものを「人のために労働を奉仕すること」とおいてみる。つまりすべての仕事は何らかのサービスだとすれば、そのサービスを「与える人」と「受け取る人」が存在することになりますね。
両者の間に、サービスの受け渡しが発生しているわけですが、その内訳を強引に分けてみると、「相手に不足しているものを埋めてあげる」のか、「相手が増やしたいものを追加してあげる」とおけます。前者はマイナスをなくす行為で、後者はプラスを伸ばす行為です。
この両者の間の受け渡し方にズレが生じるとサービスがうまく成立しないでしょう。つまり、受け取る方はマイナスをゼロにしたいのに、与える方がいきなり100を渡そうとしたり、逆に、与える方はマイナスをゼロにしようといっているのに受け取るほうが最初から1000を求めるようでは、マッチングが働きませんね。ここの意識を双方で合わせることをせずに仕事を進めてしまうことがないよう、気をつけなければいけないと思っています。
芸能や芸術というものが、人間のダメなところに作用する力を持っているとすれば、「ダメなところを気づかせ克服に向かわせるもの」「さらにそれを美に昇華させるもの」「ダメなところを肯定するもの」の三種類ぐらいに分かれそうな気がします。三番目に該当するのは落語だけです。
<今日の本歌>
吉本ばなな『キッチン』