第358回 レキシコンと布盗人算

此世の名殘り、夜も名殘り、ブログ書く身を譬ふれば、仇しが原の道の霜、一足づつに消て行く、夢の夢こそ哀れなれ。こんにちは、大島雅己です。

IT現場であまりにもありがちなトラブルの一つがコミュニケーションに起因するもの、というのは何度も書いていることですね。

もう少し細かく内容を見ていくと、「伝えるべきことを伝えていなかった、または聞くべきことを聞いていなかった」というのが一番多い気がします。これは情報の不足に通じるものですね。ここはこうしてほしいと言ったはずなのに実現されていない、とか、ここをああしなければいけないだなんて聞いていなかった、というような齟齬につながります。

伝える時に抜けていたか、聞いた側が漏らしたか、いずれにしても内容を文書などに明確に残して、伝えたエビデンスを残しておくことが必要ですね。

もう一つあるのは、言葉の意味を取り違えてしまう問題ですね。そういう意味で言ったのではないのに、とか、てっきりこういうことだと思っていたら違う意味だった、というような食い違いが起こってしまう。

この場合、正しい言葉や言い回しに気をつけるのは当然ですが、関係者の間で使う言葉の「意味」について、事前に意識を合わせていくことが有効だと思います。同じ言葉でも人によってとらえ方が違うことがあるし、専門用語を正しく解釈していない可能性もあるからです。

音楽家が演奏者に曲を伝えるとき、楽譜の上に、必要な情報を過不足なく、正しい表記法で書いていなければ、思い描いたとおりの音楽にならないはずです。

<今日の本歌>
近松門左衛門『曽根崎心中』

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA