第1589回 五段目とアイソクロニー

冷や酒のぽとり落ちたるコースター。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

「ついで」とは「序」と書いて、もともとは物事の順番をあらわす言葉ですが、そこから発展して、いい順番が回ってきた時ということで、機会とか場合とか折の意味も持つようになったそうな(『ベネッセ全訳古語辞典改訂版』より)。

それをするのに適したタイミング、ちょうどいい頃合い、最適な潮時、またとないチャンス、渡りに船、等々であり、ということは、外出のついでにどこかに寄ったり、遊びのついでに勉強したり、酒を飲むついでに仕事をすることは、好機を逃さない立派な行動に思えてきます。

そういえば古今亭志ん朝師匠は志ん生師匠に肖って「世の中ついでに生きてたい」と言っていました。ついで、とは、いい加減なことなどではなく、すべてを最適にする考え方なのかもしれません。

(A面へ)

<今日の一朝>
古今亭志ん朝『世の中ついでに生きてたい』

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