第1413回 品川獄門とクライニアン

床暖の上でツイストする猫ら。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

昔飼っていたペットに死なれてとても辛かった、もうあのような辛い目に遭いたくないからペットは飼わない、と聞くことがたびたびあります。この考え方を、本人・ペット・社会の三方に照らしてみるとどうなるか。

まず本人はペットが好きなのに飼えないことで寂しさを背負っています。ペットからすれば飼ってもらえる機会を失っているので不幸です。社会から見ても一匹のペットが飼い主に巡り合えないのだから当然よくない状況です。つまり三方ダメです。ペットの死に目に遭いたくないという己の都合と、この三方ダメを天秤にかけ、前者を選んだと言えます。

逆に、ペットを飼った場合はどうか。飼い主とペットには計り知れない幸せがあるはずだし、社会にとってもペットと人間の幸福な共存は大きな喜びです。間違いなく三方よしです。離別の辛さだけを理由にペットを飼わないのは、そういった全体的な事情を考えない点も含めて自分可愛さを最優先させているかに思えます。

そういえば町田康氏が愛猫との別れを綴りながら「悲しい時間、苦しい時間を一緒に過ごすことも含めて、他者と一緒に過ごすということ」と語っています。人間同士でも、動物でも、モノでも同じことでしょう。自分に都合のよいことだけ見ていたいというのは人間の奢りです。

(A面へ)

<今日の一唱>
町田康『猫にかまけて』

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