第515回 珍野苦沙弥とブラックプラネット賞
それらの夏の日々、一面に薄の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心にブログを書いていると、私はいつもその傍らの一台のパソコンの蔭に身を横たえていたものだった。こんにちは、大島雅己です。
猫と生活していると、彼らの行動には学ぶべき点がいくつもあります。常に好奇心を発揮し、思い立ったら即断即決、あれこれ考えずに素早いスピードで次々に行動に移していく。敵味方を一瞬のうちに判断し、危うきものには近づかない。常に自分の感覚、感性、要求に正直に、それを最大限に信じて行動する。事態に不足や不服があれば堂々と周囲にアピールし状況の改善に向けて行動する。
こう書くと、ビジネスパーソンとしてなかなか理想的なマインドに思えてきますが、当然、いただけない点もあります。自分だけがよければいいという利己主義。物事を長く続けられない乏しい集中力。何かをしたいという強い意志を持たずその場凌ぎでごまかす刹那主義。
こうなるとビジネス界では言語道断です。だから、正悪両面あるということをよくよく認識した上で彼らを見守りつつ、自分のビジネスに役立てるように心がけております。
IT現場では、好奇心を持って学び、リスク感覚を忘れず、決断力と行動力を発揮して、本当に必要なものを作っていく。周囲への発信も忘れないこと。反面、ステークホルダー全体の利益を考え、一歩ずつねばり強く進むこと。これぞ猫学です。採長補短。殷鑑遠からず。
<今日の本歌>
堀辰雄『風たちぬ』