第437回 スキミング戦略とお蔭参り

ブログについて考えることはすでに一つの、恐らく最大の、不幸の兆しであるといわれるかも知れない。健全な胃をもった者が胃の存在を感じないように、ブロガーである者はブログについて考えないといわれるであろう。こんにちは、大島雅己です。

世間では猫ブームと言われていますが、愛猫家としては心中穏やかではありません。猫に関心を持つ人が増えて不幸な猫が減ることは素晴らしいけれど、無思慮にトレンドに乗った勢いで猫を飼い、やがて飽きて捨ててしまったり、ブームを金儲けに利用することしか考えない悪質業者がのさばったりしていくのは忍びないことです。

ブームは、それを無責任に後押しするメディアのおかげで急成長してやがて成熟期を迎え、あっというまに衰退していくでしょう。本当に猫にとって理想的な状態とは、猫を意識しなくなるぐらい猫が当たり前の存在になることだと思います。当たり前の存在がブームになることはないはずです。例えば、「親孝行」がもしブームになったら、どんなに恐ろしい状況でしょう(みうらじゅん氏が提唱した親孝行プレイは親孝行の考え方に新しい観点を当てたもので、ブームをに結びつくものではないはず)。

企業や組織のIT担当は、ITに対する考え方とか活用方針とか運用方法について、どうやって関係者の理解を得て浸透させていけばよいか、日々悩んでいると思います。ITガバナンスというやつです。しかし本当のあるべき姿は、そんなことしなくても皆が当たり前にITを理解している状態です。ITガバナンスが必要でない世界が本当のガバナンスだと思うのです。

<今日の本歌>
三木清『人生論ノート』

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