第324回 松梅鶯曾我とラフコンセンサス

生命の理論が、生物という対象領域を超え、より広い範囲に応用可能な構想となったとき、半ば必然的にブログ論となる。こんにちは、大島雅己です。

情報システムの開発プロジェクトでよくある悲劇の一つは「完成直前でプロジェクトが中止になるケース」です。いいシステムを作るために日夜議論を重ね、丁寧に設計し、関係者との調整も行い、プログラミングとテストで徹夜を重ね、ようやくゴールが目の前まで近づいたところで、利用先の現場やお客さんから「思っていたのと違う」とか「もう必要なくなった」とか「もっと優先の高い事態が発生した」などの理由でストップされてしまうのです。

一時中止して延期するという場合もあれば、最初から作り直しになることもあるし、最悪なのは完全になかったことにするため元の状態に戻すという事例もあります。いずれにしても大変悲しく脱力きわまりない事象です。

特に利用者から「思っていたのと違う」「こんなこと頼んでいない」などと言われた場合は絶望感がひとしおです。プロジェクトの中では合意形成ができていても外部との調整は忘れられがちなのです。しかも「最終的な注文主」との意志の疎通は一番重要です。順番が逆なのです。ここはリーダーが細心の注意を払うべきところ。

芸能芸術の場合であっても商売として成功させるのなら、聴いてくれるお客さんが望んでいないものをいくらがんばって作ってもしかたないですね。

<今日の本歌>
河本英夫『オートポイエーシス』

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