第226回 般若とヒュブリス
気がつけば、記憶を呼び戻そうとばかりしています。そのたびに、埋もれた思い出から細かいブログネタが顔を出し、妙にほっこりと嬉しい気分になるのです。こんにちは、大島雅己です。
一つの分野に長年親しんでいると、カンのようなものが身についてきますよね。大雑把に言えば、パターン予測ができるようになってきます。
これは重宝すべきなのですが、頼ってばかりいると痛い目にあうこともあります。驕りというやつでしょうか。ベテランなのにそんなことでミスするなんて、というトラブルが時々起こるものです。
これは、ベテランだからこそ、気の緩みからそういうミスを招いてしまうのかもしれません。初心者であれば緊張もするし周囲もケアするでしょうが、ベテランだとそうはいかない。自分でも慢心しているし回りからも任されているでしょうから、チェック機能も働かない。だから怖いのです。長年のカンは大事にすべきですが、驕る平家は久しからず。奢る財布は久しからず。常に緊張感も忘れないようにしなければ。
楽器の演奏なんか全くその通りです。慣れているからと手を抜くと必ず失敗します。自分の中に初心者を呼び戻して、そいつに教えるようなつもりで臨みたい。
<今日の本歌>
スタインベック「朝飯」