第778回 プロトコルスタックと純粋統覚
ほとゝぎす名をも雲井にあぐるかな 弓張月のゐるにまかせて。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
楽器の練習をしてゐると、いくらがんばっても思ふやうにならない現象にぶつかります。その原因をごくごく大雑把に分けると、「環境」「演奏」「意識のどれか、あるいはその組み合わせでせう。
「環境」とは、楽器が壊れているとか練習時間が取れないなどの外的要因のことで、これは原因を見つけてしかるべき対応をすれば済むことです。
「演奏」とはまさに自分の力量の話で、練習量が足りないかやり方が間違つてゐるかのどちらかであり、プロに見てもらえばすぐにわかるはずです。
厄介なのは「意識」で、これは自分にも他人にもなかなかわからないものなのですが、たとへばリズムの取り方や曲のイメージを変へてみることで、今までどうしても弾けなかつたものが嘘みたいにできるやうになつたりするものです。
ビジネス現場でも、どんなに環境が整つてゐていくらルールが立派であつても、人の意識が揃つてゐなければ組織はまとまりません。これに似てゐる気がします。
<今日の本歌>
藤原頼長・源頼政『鵺』