第213回 レザー・シャープと唐獅子牡丹
このブログこの罫帋本に写直せしなり以後年と共に巷の数もかさなりて今茲200回を超す、かぞへ見る部録の巻や古火桶。こんにちは、大島雅己です。
「カッコつけてる状態」と、「カッコいい状態」の違いを気にし続けてきました。
これは、無理しているか自然にしているか、の違いです。
あるいは、借り物か自前かの違いです。
あるいは、イヤミっぽいか皮肉っぽいかの違いです。
あるいは、あざとさが見えるかずぶとさが匂うかの違いです。
あるいは、踏み過ぎているか踏み込んでいるかの違いです。
あるいは、分不相応か威風堂々かの違いです。
あるいは、背伸びをしているか背なで風を切っているかの違いです。
あるいは、欲気が漏れているか色気が滲んでいるかの違いです。
ITシステムでもそういうことはあるのです。このシステムは見栄えばかりで機能はしょぼい、とか。無理して流行りのツールを使おうとしている、とか。客ウケを狙って、背伸びした機能をつけているな、とか。こういうのは問題のモトになりがちです。カッコつけるのでなくカッコいいシステムを目指すには、やはり「そもそも何が必要か」を徹底してつきつめることかなと思います。
そしてこの問題こそは、音楽や芸術の方がわかりやすい。カッコつけた音楽と、カッコいい音楽。カッコつけた絵と、カッコいい絵。どれもたくさんありますね~。
<今日の本歌>
永井荷風「断腸亭日常」