第1656回 認知閾とカルペ・ディエム
秋酒の味はひかたを悩みをり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
時の流れに身をまかせ、と言います。すべては時が解決してくれる、などと言います。これは正確に言えば解決されるわけではなく、状況が風化して人々の記憶も薄れてしまうことによって、問題がなかったものに近づいていくということでしょう。
あるいはまた、じっくりと考える時間が取れることによって精神が落ちついて、冷静な対処ができるようになるという意味なのでしょう。
ということは、時間が立つにつれて問題が解決されるというのは、問題そのものが忘れ去られているか、問題だと思っていたものが実はそれほど問題ではなかったか、もっと大きな喫緊の問題が出現したことで問題の優先度が下がったか、そのどれかでしょう。
であれば、問題解決の方法として、問題を忘れるか、問題を問題視しないか、もっと大きな問題を起こす、という手段が使えることになりましょうか。
<今日の一唱>
テレサ・テン『時の流れに身をまかせ』