第1614回 ベルソルと逆クレブス回路
ピキピキと氷がおよぐ炭酸水。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
よく「意向を固める」と聞きますが、なんだか違和感があります。意向とは何か。意の向かう先であるから、心の向く方向であり、思いを馳せる先、考え方の方向性といったようなことか。
「向き」や「方向」は四方にぶれる可能性があり、どちらに行くのか決めかねていたものを、「固める」ことで狙いを定めた、ということであれば、方向性が決まったように見えますが、「どこどこに行く」と断言するのでなく「どこどこの方へ向くことにした」という言いかたには、そのものずばりを確定させずに、だいたいそういう感じだというぼやかしが感じられるのです。明確に断言しているわけではないよという逃げが含まれているような気がするのです。
つまり、意向を固めたと言われても素直に信じられず、フーンそうですか。それで? と言う気分になってしまうのです。問題は、固めたあと何をするのか、でしょう。
そういえば所ジョージ氏の名曲『カッタマリ・ブギ』では、固まってほしいものとして「お腹の調子」「アイスクリーム」「接着剤」があがっています。ここに誰かの「意向」も入れるべきなのか、意向を固める前に意志を決めるべきなのか。
<今日の一唱>
所ジョージ『カッタマリ・ブギ』