第1469回 エポニムと口蓋垂音

垣根越し赤と緑の小ジャングル。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

日本語の感覚で聞くとどうにもおかしな言葉があるものです。「ンジャメナ」「ん廻し」など、「ん」で始まるもの。「ニャホニャホ・タマクロー」「ポチョムキン」など、拗音や濁音が絶妙に組み合わさったもの、「スケベニンゲン」「アフォバッカ」など、別の言葉に聞こえるもの。あるいはモスラの歌やハナモゲラ語など、日常では出会わない響きを持つもの、などなど。

しかし、言葉そのものの響きだけで正しいとかおかしいという判断はできないはずです。先に挙げたような名称も、聞く人によってはごく普通の名刺なのでしょうし、逆に普段何気なく使っている「コップ」「机」などの言葉も、ある人達にとって、あるいは聞く人の感情や心境によってはとんでもなくおかしなものとして響くかもしれません。

そういえば森山加代子氏の『じんじろげ』は大正時代の俗謡やインド民謡などが元になっているそうですが、これが作られた当時は、特に変わった歌詞ではなく自然に受け入れられていたのかもしれません。自分の常識は他人の非常識、今日の普通は明日の異端ということでしょうか。

(A面へ)

<今日の一唱>
森山加代子『じんじろげ』

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