第1468回 悉曇学とダイアクリティカルマーク

白湯ぐいとあおりたくなる春早朝。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

五十音図を見ながら考えました。縦に5段の母音、横に10行の子音。オプションとして撥音、濁音、半濁音を含めれば、日本語としてあらゆる事象を識別することができる(拗音、促音は五十音内の組合せであるとみなす)。このマトリクスに存在しない音声を発見できないものかと、さまざまな発声を試してみても、まずうまくいかない。どうやっても既存のものの亜流になってしまう。

外国語には、五十音図にない母音や子音が数多く存在しているけれど、それらを日本の文字で表記する時には結局五十音図のどれかを使って無理矢理結びつけているわけですから、やはり「五十音図にない音」を日本語で表すことはできていない。

とすると、「新しい仮名」というものが発明発見されることは永久にないのでしょうか。なんだかすごいことであるように感じます。

そういえば北原白秋は「あめんぼ赤いなあいうえお」、カリキュラマシーンは「あいつの頭はあいうえお、肝心要のかきくけこ」と歌いました。五十音が五段構成でなければこの四・四・五型定型詩も成り立たなかったのでしょうね。

(A面へ)https://spiraling.co.jp/blog/

<今日の一唱>
宮川泰『あいうえおの歌』

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