第1467回 ピラミンクスと散蓮華

指先が干上がるやうな春の午後。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

愛猫に水を与える時、あらかじめ器に水を汲んでから持って行くのと、目の前で鍋や薬缶で器に水を注いでやるのとでは、反応がまるで違います。前者の場合は普通の反応ですが、後者の場合、そんなに咽喉が渇いていたのかというぐらい、かきこむように浴びるように飲む。目の前で注がれる水に刺戟されるのか、鍋や薬缶に目を惹かれるのか、中身は同じ水であるのに、与え方や容器によって受ける印象が違うのだと感じ入る次第です。

これを、猫のやることだと笑って済ますわけにはいかない。人間も普段からこれと同じことを知らずにやっているはずです。情報の中身ではなく、与えられ方やシチュエーションによって違うことを感じているのです。

そういえばサザエさんが、牛乳を飲まないタラちゃんを心配して病院に連れていったところ、紙パック牛乳をあげたら喜んで飲んだ、というネタがありました。サザエさんはこれを「センパクな」と呆れていましたが、食事は料理と同じぐらい食器も重要なのかもしれません。とすれば猫の行動はまことに理に叶ったものだと言えましょう。、

(A面へ)

<今日の一飲>
長谷川町子『サザエさん』

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