第1428回 強肴とボキューズ・ドール

猫たちのじゃれ合ひなのかたたかひか。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

料理をしながらふと考えました。今おこなっている作業は、素材に対してさまざまな加工や変更を施していることに他ならないのだから、つまりは編集作業であると。

料理は食材の編集によって完成するのであって、その工程は例えば、汚れを取る。水を含ませる。加熱する。溶解する。組み合わせる。混ぜる。切る。撹拌する。包む。配置する。並べる。云々。

とすると、そこには編集者の意図がなくてはならないし、それがなくては料理は完成しないはずです。例えば買ってきた惣菜をそのまま食べるだけであっても、「素材に手を加えず享受する」という編集意図によるものでしょう。入手した情報を何も考えずそのまま横に流すようなものです。すぐれた料理人はすぐれた編集者であるはずで、その最も重視するポイントは「受け手にどう喜んでもらうか」ではないでしょうか。

そういえばタモリ魚菜先生の「きょうのお料理」では「料理というのはイマジネーションの世界でございます」と言っていますね。素材や道具に凝るのも楽しいですが、何のために料理をしているのかが明確であればそれにふさわしい編集手段もおのずと見えてくるはずです。

(A面へ)

<今日の一唱>
タモリ『タモリ2』

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