第1323回 構造極性とバーゼル条約
こわれたピアノで想い出の歌、片手でひいてはため息ついた(沢田研二『時の過ぎゆくままに』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
不幸にもモノが腐ったり壊れてしまった場合、何らかの対処をすることになりますが、方法としては、壊れたものを排除するか、修復させるか、どちらかを採るのが一般的でしょう。
前者は手っ取り早いけれど持っていた資産を捨てることになり、その欠損をどう埋め合わせるかを別途考えなければなりません。後者は手間暇のかかる話ですが資産を持続させることができる。
ここで考えたいのはさらなる別の選択肢です。例えば、壊れたものに別の使い道、別の役割を与えることによってそのまま使い続ける。壊れたものを生かせる道を見つけることです。
あるいは、壊れた状態が正常だったらどうなるかと考え、壊れるという意味そのものを変えてみるのはどうでしょうか。壊れたものとそうでないものが共存する世界が自然なのだと見立てれば、壊れるという概念自体を見直すことになるかもしれません。
<今日の一唱>
沢田研二『時の過ぎゆくままに』