第1308回 鏝絵とA式E式

ドーナツ盤の上でクルクルと踊るよジルバ(大瀧詠一『A面で恋をして』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

昨日に引き続きレコード盤の話です(本日はレコードの日とのことです)。レコードの素晴らしい点の一つは、あのジャケットです。アルバムで約31センチ四方、シングルで約18センチ四方のあの小さな盤面がレコードの顔であり衣装であり、額縁であり看板であり、名刺であり表札であり、容器であり外郭なのです。名は体を表し、体は名を象る。

レコード屋に行けば誰もがジャケットを次々と繰りながら欲しいものを探すのです。歌謡酒場の壁にはアイドルのシングル・ジャケットがブロマイド代わりに飾られます。ジャズ喫茶で流れる曲の正体を知らせるためにジャケットが標識の役目を果たします。

CDはこれらの機能にはあまり向かず、ストリーミングの世界になるともはや為す術もなくなってしまうのです。「構造」の意味をしみじみと考えるのです。

(A面へ)https://spiraling.co.jp/blog/

<今日の一唱>
大瀧詠一『A面で恋をして』

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