第1280回 レチタティーヴォと相対的独占権

歌が得意な猿なのに高級外車がお出迎え(桑田佳祐『すべての歌に懺悔しな!!』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

作曲家のハワード・グッドール氏によれば、音楽の歴史を変えた五大要素とは「記譜法」「オペラ」「平均律」「ピアノ」「録音技術」だそうです(白水社『音楽史を変えた五つの発明』)。

現代はこれらすべて空気のようにあって当然のもので、音楽業界は別の局面にありますが、歴史を変えた六番目の事象は、音楽が金儲けの道具になっている事実だと思うのです。音楽は心を豊かにするためのものでなく、供給者の懐を豊かにする手段になってしまった。

元を正すとレコード業界の問題なのか、メディアの問題なのか、著作権や印税制度の話なのかわかりませんが、これを芸術の堕落と見るか、ビジネスの正しい在り方とするか、人間の自然な道理と取るかは意見が分かれるでしょう。

しかし少なくとも、音楽がショービジネスの素材となる以前と以後とでその質に違いが生じていることは間違いないはずです。

(A面へ)

<今日の一唱>
桑田佳祐『すべての歌に懺悔しな!!』

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