第1279回 屋敷菜とノスフェラトゥ

自分の考え方すべてに自信満満という人の書いたものには、まったく凄味がない(筒井康隆『創作の極意と掟』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

「凄い」の語源はスグ(過)とかスガシ(清)などの説があるようですが、もともとは、恐怖とか戦慄とか不気味さを感じさせるようなものを指した言葉だと思われます。源氏物語にも用例がありますね。恐ろしい、ぞっとするほど甚だしいものを前にして、人智を過ぎるオーラを感じる、あるいは、逆にさわやかで清々しい気分になるところから根付いたものなのでしょうか。

現代では単に程度の大きさを強調する副詞的な使用の方が多いかもしれませんが、本来の「凄い」存在とはどういうものなのか、あらためて考え直し、自分が凄い状態となり、凄い状況を引き起こし、凄い思いを味わうために何が必要なのかを突き詰めてみたいのです。凄味を帯びた、凄腕で凄艶な存在となるために。

(A面へ)https://spiraling.co.jp/blog/

<今日の一唱>
筒井康隆『創作の極意と掟』

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA