第92回 赤チンとクロスオーバーSUV

真理は万人によって求められることを自ら欲し、ブログは万人によって弄られることを自ら望みます。こんにちは、大島雅己です。

突然ですがクイズです。
次のヒントから連想されるキーワードは何でしょうか。「ダム」「ローン」「原子炉」「ホール」「トイレ」。
答えは「多目的」です。失礼しました。

多目的というのは文字通り様々な目的に使うことができるということで、汎用性が高く、好ましく思われそうですが、IT現場にいる立場としてはあまりいい印象がありません。それは目的がブレる恐れがあるからです。

システム開発をする際、何のために作るのかという目的を明確にしておくことが重要だというのは当然であり、そんなことは誰でもわかっているわけですが、それでも要件を決める段になると人は欲張りなもので、「こんな機能もあると便利」「ついでにここも直した方が効率がいい」「どうせ予算あるのなら」「あんなこともできたらいいな」などと、ドラえもんの主題歌のような気分になりついつい多目的になりがちです。

こうなると、後々そのシステムの目的がよくわからなくなり、そもそも何のために作ったのだったか誰も答えられず、本当は既にいらない状態になっているシステムを廃止してよいかどうかの判断もできず、いつまでも無駄なコストを食い続けることになります。

「一つあればいろいろなことに使える」というのは確かにありがたく重宝しますよね。十徳ナイフも、複合機も、シンセサイザーも、それこそパソコンだってその部類のものでしょう。しかしどうも私は「一つのものは一つの機能」というシンプルな図式の方がしっくり来ます。

音楽には平均律というものがあって、ピアノとかギターは音程が均等に分割されているのでどんなキーでも自在に演奏できるという万能性を持つ代わりに、微妙な歪みがあり厳密には完全な和音になっていないのですが、こればっかりはさすがにこのままでいいですね。

<今日の本歌>
岩波文庫「読書子に寄す」

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