第1075回 フラーレンと散らし書き
大学ノートの裏表紙にさなえちゃんを描いたの(古井戸『さなえちゃん』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
最近、意識的に鉛筆を使うようにしています。高校の前半ぐらいまで、筆記用具と言えば鉛筆に決まっていたものです。ノートを使う時は裏写りしないように下敷きが欠かせませんでした(ついでに言えば下敷きは透明なクリアシートのようなものを愛用し、その中に歌手のブロマイド等を夾むのがトレンドでした)。
しかしそれ以降、鉛筆の出番はみるみる縮小していきました。シャーペンの出現もありましたが、それよりも、パソコン、スマホによるデジタル化が大きな原因でしょう。手でものを書く機会そのものがどんどん少なくなっていき、必要ならボールペンやサインペンなどで充分だと思い続けてきました。最近になってようやく、時流に逆らう精神もあって鉛筆の価値を再確認しようという気になったわけです。
芯を削る、字に濃淡をつける、消しゴムで修正する、裏写りを気にする、こういった行為が新鮮で楽しく、鉛筆とはまさに、ものを書いている感覚が直に味わえる貴重な道具です。あらゆるものはこうあるべきではないのかしらん。
<今日の一唱>
古井戸『さなえちゃん』