第997回 適応度関数とランダムウォーク
「子供の頃、ママがかう言つてゐた。私達は皆スーパースターとして生まれてくるんだと」(レディ・ガガ『ボーン・ディス・ウェイ』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
つまり人間は生まれた瞬間ありとあらゆる可能性を持つてゐるわけですので、さういふ意味で万能でありオムニポテントであり見えざるピンクのユニコーンであるかのやうに思へます。そこから一つ選択肢を決めるたびに可能性の海をかいくぐり、その繰り返しによつて最終的な姿へと向かふことになります。
さういふ意味ではものづくりも同じやうなもので、完成形の姿は、作り出す直前までは無限大のポテンシャルを秘めているけれども、一つ工程を進めるたびに他のあらゆる選択肢が切り捨てられて、最後に残つたものに収束してゆくのです。その逐一の段階で、何を捨てて何を採るか、迷路のどの岐路を進むか、阿弥陀籤のどれを選ぶかによつて少しずつ着実にゴールを形作つてゆくわけです。
しかしその決断は行き当たりばつたりだけで進めるものではないでせう。狙つた目標に近づくための最善策を考へながら最適なものをチョイスするべきですし、もし失敗したと思つたら次のチャンスで軌道修正を図るはずです。
IT現場でも同じです。一つのシステムを作るといふことは、それ以外のすべての選択肢を捨て続けて最終形に向かふことです。そのために、何を採るべきか、何を捨てるべきかの決断が極めて重要です。
<今日の一唱>
レディー・ガガ『ボーン・ディス・ウェイ』