第985回 山吹の実とブラックテクノロジー
雨に濡れながらメカニズムひとがゐる。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
雨が降るたびに人間とはなんと弱いものよと思ひます。衣服や荷物が濡れてはたいへんだとオロオロし、まともに外に出ることもできない。うつかり身体が濡れてしまつたら不快感や寒気に襲はれてどうにもならない。それを克服するために、傘や合羽を発明したわけですが、雨との闘ひは何千年も続いてきたはずだと考へると、もつと進化した対処法があつてもよささうです。
また、常日頃思ふことですが、ホワイトボード周辺の技術も旧態依然を感じます。マーカーやイレイザはすぐに使へなくなるし、やたらとポロポロ落下します。書き込んだものを印刷したり保存する機能もさほど普及してゐるやうに見えません。テレビ電話だつてまだまだ一般的と言へるほどには広まつてゐないでせう。
AIだのIoTだの5GだのMaaSだの世間は先端技術方面でかまびすしい状況ですが、なんだか世界は言ふほど進化してゐないやうな気になることがあります。いや、進化してゐるものもあるのでせうけれど、置いてけぼりになつてゐるものがいくらでもあるやうに思へます。
IT現場でも、本当に考へなければいけない課題を放置して変な所をIT化してゐる状況をよく見ます。今やるべきなのはそこですか? と問ひたくなるやうな。
<今日の本歌>
三善英史『雨』