第966回 ノルアドレナリンと逐次加速緩和法

精神を集中しやうとすると体は緊張します。体を弛緩させやうとすれば精神が緩みます。どうもそんな気がしてなりません。

必死になつてピアノの譜面を追つてゐる時、足がガチガチに固まつてゐるのに気づいて吃驚します。緊張を解こうと酒を飲んでリラックスしてしまふともう頭脳労働は不可能になります。さらに悪いことに、ひとたび酒を摂取したが最後、ちよいと一杯のつもりだつた決意など霧消してしまひ、いつまでも飲み続けやうとするのです。まるで胃の腑に入つた酒の精が仲間を呼び寄せるかのやうに。

クールな頭にホットな心、などと申しますが、最も好ましい状態は、クールな頭脳、クリアな精神、ホットな意志、ジェントルな心にタフな体、といつたところでせうか。IT現場でもこのスタンスは望ましいものです。決してルーズな頭脳でもヘビーな肉体でもチープな精神でもありません。はたして現実はどうなつてゐるでせうか。

(A面へ)

<今日の本歌>
エト邦枝『カスバの女』

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA