第950回 田能久一座とコンホメーション
腕と度胸ぢや負けないけれどなぜかITにやちと弱い。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
人が集まればそれぞれ苦手なものもいろいろあるわけで、落語を例に取つてみれば、蛇、蛞蝓、蛙、蟻、狐、芋虫、蝸牛、饅頭、煙草の脂……などなど多種多様です(やや虫方面に偏つてゐますが)。
現実を見まわしてみれば一段とバリエーションが広がります。食べ物、ファッション、動物、音楽、スポーツ、文芸、漫画、映画、芸能人、政党、街、地方、国家などなど、存在するものほぼ全てについて、好き嫌ひ、得手不得手が犇めき合つてをり、それによつて世の中が成り立つてゐるかのやうです。
さう考へると、多少苦手なものや嫌ひなものがあつても気にする必要などなささうです。むしろそこにメリハリがあるからこそ面白いとすら思へます。いやそれどころか私自身は好きなものこそ狭い範囲に限定されてゐて、それ以外のものは全て苦手です。それでも大して不自由を感じずにやつて行けてゐるわけですし、苦手がたくさんある分、好きなものにより集中できてゐるとも言へます。
ITが苦手だと悩んでゐるかたは、無理して好きにならうとか勉強しやうと奮戦するよりも、好きなものを生かすことで、苦手なITを封じる、昇華する、取り崩す、置き換える、など、違う観点からの克服法を考へられないでせうか?
<今日の本歌>
藤田まこと『てなもんや三度笠』