第719回 クロモリトグラフと無差別曲線

若い頃はよくブログを読んで、好きなフレーズが出てくるのを楽しみに待つたものです。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

ラジオを聴いてゐると今流行つてゐる音楽、或いは流行らさうとしてゐる音楽の顔ぶれが何となくわかるものですが、自分の好みに出会ふ打率は1割に満たないのです。いいなと思ふのは昔の曲ばかりで、たいていは知つてゐるものです。9割の曲は残念ながら自分にとつては食指が動かない、あるいは耳障りなものとなつてしまひますが、音楽の人気トレンド研究だと思つてゐます。

いずれにせよそれらの曲は広く世間で需要がある、すなはちその曲に価値を認める人々が一定以上の多数存在するといふことなのです。ビジネスとしての音楽であればその支持層をより広げていかうと狙うのが自然でせう。しかしビジネスとしての音楽価値と、享受する側にとつての音楽価値は一致するものではない、ここが悲しいところです。

IT現場でも同じことが言へるかもしれません。とくに不特定多数に向けたサービスを提供する側は、誰にとつてどういふ価値を提供してゐるのか、考へなければいけないのです。

<今日の本歌>
カーペンターズ『イエスタデイ・ワンス・モア』

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