第714回 地獄のオルフェと茶会運動
こつちもブロガの意地づくに、破れかぶれとなるまでも、覚へがねえと白張の、しらを切つたる番傘で、汝がかぼそいその体へ、べつたり印を附けてやらあ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
音楽はもともと呪術や宗教や政治のためのものが、ブルースの誕生やオペラの登場などの歴史も経ながら大衆の娯楽として広まり、つひにはなべて多くの人に届くやうになつたわけで、この状況はありがたいと思ふものの、その勢いは加速度的に変遷し続けてゐて、今やレコードもCDも廃れ、媒体を無用とし、ネット空間上で聴き流し使ひ捨てるものになりつつあるやうに感じます。
小遣ひを貯めレコード店に足繁く通つては本当に欲しいものを厳選して手に入れ、じつくりと何度も鑑賞してゐた頃の方が幸せだつたのかもしれません。
ビジネスとは人の要望を叶へるためにあるものだとは言へ、利益が出なければ意味がないのだとすれば、どうしたつて効率やコストが優先されてしまふこともありませう。時代の趨勢や状況の変化だつてあります。それでもやはりサービスを扱う立場としては、さういつたものに左右されないものを追及したいものです。
<今日の本歌>
河竹黙阿弥『梅雨小袖昔八丈』