第713回 ヴィルトゥオーソと過電流継電器
ハイデガーを凌駕する無濾過のビネガーは浦賀に露臥するマイスタージンガーのブロガーだった。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
楽器の演奏でテンポの速い難曲に取り組む場合に、とにかくその速さについていくといふ練習方法があります。何度も何度も繰り返すことで耐性をつくつていくといふ戦略です。一方で、はじめはテンポを落として練習し、着実に弾ける状態にしながら少しずつ速度を上げていくといふ方法もあります。
前者は繰り返してゐるうちに速さに慣れてそれなりの演奏ができるやうになるかもしれませんが、なんとなくそれつぽく体裁を繕つてゐるだけで、実際には正確に再現できていないことが多いものです。素人の耳は誤魔化せるかもしれませんが、それだけのこと。何の応用もきかず、いずれ忘れてしまふでせう。
後者は曲そのものを自分なりに消化して血肉にできる手法だと思ひます。だからさまざまに応用ができ、末永く活用することもできます。
ビジネスでも一時的短期的なゴールばかり狙い続ける人がいますが、本当にやりたいことが何なのかをじつくり見きわめ、着実に達成できる方法を採りたいものです。
<今日の本歌>
あのねのね『みかんの心ぼし』